トコトン・ステイホームで感染経路を遮断できるか?

東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・40歳)です。

大江戸線運転士クラスターなど
今週は都議会では所属委員会での各局予算質疑です
15日は交通局所管分でした。交通局では大江戸線運転士38人が感染した事がニュースになりました。同じ乗務区でしたので、バックヤードにおける行動の中に何か感染が拡大するものがあったと思われます。しかしながら、一部の新聞などは手洗い場の「手回し式蛇口」が感染源濃厚のような印象で記事を書いた事で大騒ぎに。実際には原因は分かっていません。

未来を見据えて
コロナ禍ですから、様々な委員の皆様の質疑を聞いているとコロナ対策はやはりメインの話になっていました。私は最後の登壇でしたので、他の方が何を言うのだろうかと、興味深く聞いておりました。それぞれ、ポジションが異なるので、視点はバラバラですが都営交通利用者の視点に立った指摘が続いておりました。私は特にコロナ禍で経営環境が著しく悪くなっている交通局の未来を見据えての、5G、AI解析、ビッグデータを活用した大幅コスト削減の話や自動運転、ロボットによる案内係、警備を進めていく事業の種を蒔く時期が今だという点について話しました。特に、交通局では、5年に1回ですが人海戦術で各路線各駅の乗降動向を調査します。当然、莫大な時間と人件費等の経費がかかります。これをデータを常に取れる環境にしておけば、楽だよねという感じです。

さて、その中で、大江戸線バックヤードクラスターの後フォローが交通局もマスコミも出来ていないように感じています。そこで出てきたのが、都知事のメッセージ「トコトンステイホーム」です。でも、不要不急ではない社会インフラとして都営交通は毎日動かさなければいけない使命があります。夜に飲み会を減らす為にも、ダイヤを変えて終電を切り上げろという世間の声が当たり前のように交通各社を襲いました。それで、感染拡大は防げるのでしょうか?前述の「とことん」も含めて、それは感染機会の減少でしかありません。極論言えば「トコトン1人でステイホーム」なら効果はあるかもですが。

つまり、私が専門家や行政の発信として、都民、国民に向けて伝えるべきは「感染経路を遮断する行動」だと思っています。飲食店に行っても、防げれば問題がない。その為には、店側も客側も努力義務はあると思います。「トコトンステイホーム」と「完全隔離」は異なるわけですから、不要不急ではない外出はOKというメッセージも伝わっているようで伝わっていません。

原点は「ウイルスはどこから、どこへ、どうやって」広がっていくのか?何で感染するのか?どうやって予防するか?と言う基本に立ち返るメッセージを出し続けるべきだと考えています。例えば、現在、宮城県静岡県などは増加傾向にあります。1都3県という報道、新規陽性者の数などばかり注目してしまうと、本質を見誤ったり、対岸の火事的になります。

ワンイシューでは語れない
私は先のブログで東京都は顕著ですが「医療を守る」「経済を守る」の両方にとって中途半端な政策が実行されてしまうのは、新型コロナウイルスとの向き合い方が1年前の今頃と何ら変わっていないからです。医療現場では、重症化を防ぐ知恵が増えてきたり、命を救う為の方策が増えています。でも、ワイドショーが作りげてしまったコロナイメージだと「感染者が増える」という事だげのワンイシューになった状態が続いている事も変えていかなければなりません。

例えば「医療を守る」というフレーズも細分化していく必要があります。
コロナ患者も無症状、軽症、中等症、重症となっていますが、現在は重症者が減っているのに医療提供体制が逼迫している状況を改善出来ないのは何故なのか?という点です。一部で世間に出回ったような医師会が協力しないからだという見方も当たり前の様に展開されているのも少し心配です。

医療の最前線に光を当てて
1年間、私が医療現場を見て歩いて、政策提言をし続けてきた立場では、単純にICUにおいて長期間に渡って患者さんを診て命を救える集中治療医が圧倒的に少ないからだという結論に至りました。ならば、それを明確に都民、国民に伝えて重症者の確保病床は物理的なベッドの数ではなく「ベッド+集中治療専門医+看護師」重症者確保ユニットとして発表し、今、現在、どれだけ埋まっているのかを常に「見える化」しておけば、まだまともな情報発信が出来て、国民と行政の間の信頼関係を取り戻せるのではないかと思います。

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