25年ぶり東京の人口に異変!?だからこそチャンスかも。

東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・40歳)です。

東京23区の人口動態に変化が
今日はコロナ禍において東京23区の人口動態に変化が起き始めているという事をご紹介し私の考えを述べて参ります。まずは、NHKが3月30日に配信した記事をご覧頂きたく引用を致します。

東京23区 すべての区で人口が前の月を下回る 25年ぶり(NHK配信から引用)
新型コロナウイルスの感染拡大で都心に通わず、自宅でリモートワークをするなどライフスタイルの変化を背景に、東京都で人口減少が続く中、25年ぶりに23区すべてで人口が前の月を下回ったことが分かりました。東京都の人口は、3月1日現在の推計で1394万2024人と、前の月と比べて1万人余り少なくなり、去年8月以降、8か月連続で前の月から減少しました。
23区だけをみると、すべての区で前の月を下回りました。
23区すべてで前の月を下回るのは1995年8月以来、25年7か月ぶりです。
減少の幅が最も大きかったのは、
▽江戸川区で951人
次いで、
▽世田谷区で948人
▽板橋区で805人などとなっています。
また、ほかの道府県から転入した人より転出した人のほう多い「転出超過」も顕著で、先月1か月間は墨田区を除く22の区で「転出超過」となりました。

東京に概念に変化か?
この記事を読んでみて、どんな感想を持たれるでしょうか?
というのも首都東京には成長神話が大なり小なり、誰の心にもあったのでないでしょうか。コロナ前に東京が掲げてきた「世界で一番の都市実現」という目標も成長が前提で掲げられていました。ロンドン、ニューヨーク、パリを追い抜くんだと奮闘し、実際に舛添都政時代にパリを抜いて世界3位になったのです(世界の都市総合力ランキング・森記念財団・都市戦略研究所)。ロンドンがオリンピックを契機に大きく飛躍したように「東京も2020年大会を契機として一気に上昇する」というイメージが都政関係者の間に広がっていました。

ところが、その20年に新型コロナウイルスが東京のみならず世界中に襲いかかり、人々から見える景色は一変したのです。私の本心を言えば、コロナ以前に描いた「NO.1への道」を進むべくブレずに行きたいですけど、実際にはそうはいかない展開が見えてきて苦しんでいます。当然、完全な形での20年大会開催は既に断念となりました。積極的に20年以降の東京へ投資すべくコツコツと貯めてきた東京都の基金(自治体の貯金)もコロナ対応の経済政策等で決して余裕があると言えません。外食産業はじめ各事業者もどこまで耐えられるかの瀬戸際に立っています。

東京から出る人が多い理由は?
そんな中でNHKが報じた本件です。各企業のテレワークが進んだ事により「毎日、満員電車に乗らなくてもいいんだ」と考える方は郊外にマイホームを求めたりしてきた1年でした。東京臨海部の超高層マンションでは、朝のラッシュ時間帯ではエレベーターが混んでいて乗れない事から解放されたいという方がいました。また、東京で支払っている家賃と同じ金額で郊外に行けば更に広い所に住めると考えた人も出てくるのは当然です。今挙げたのは積極的な郊外転出と言えるかもしれません。ところが現実問題として「コロナによって経済的活動がうまくいかず故郷に戻ります。」という人達も私の周りには多数いました。

理由は様々ながら前月より人口が軒並み減っているという統計が出てきた今、「世界で一番の都市を目指す」というフレーズの持つ意味合いも変化しつつあります。これまでならハード系の目に見える仕掛けが「旧来の世界で一番の都市」なのだったのだろう思います。でも、コロナの先は、職住者のみならず東京に携わる全ての方が「幸福と感じる」都市にしなくてはいけないだろうという信念を持っています。

今こそ23区の独自色を
勿論、東京23区を離れた方々にも戻って頂きたいと考えています。経済的な課題も多々ありますが、私は東京で法人も個人も活発的に動く事が結果として日本全体の光を取り戻す事になると信じています。人口減少傾向にあると言っても、まだまだ首都東京に集まるパワーは日本の中では大きな影響を持ちます。人々の価値観が変わりつつあり、会社選びにおいても新卒生でも多様性が見えてきたという指摘もあります。確かに、一昔前のように「場所」にこだわらなくても「いつでも、どこでも」仕事が出来る時代になっていますが、それでも日本の中心は東京であることは当分変わりません。

だからこそ「23区は何が出来るのか?」と区長を中心に考えなくてはなりません。かつて、23区は東京都の内部団体でしたが、多くの区民や都区政関係者の粘り強い自治権拡充運動が実を結び、平成12年4月1日から、23区特別区は内部団体から脱却して法律上の「基礎的な地方公共団体」として位置付けられ、今日に至っています。今こそ、東京都やお国に顔を窺わず、右見て左見て同じ振る舞いでなく、独自の政策を打ち出す事で光り輝く地元自治体を模索すべきです。

ちなみに、前月より人口が減った23区ですが、中でも墨田区だけは「転出超過」になりませんでした。これは転入者と転出者の数でどちらが多いかですが、墨田区の場合は単純に転出が多いわけではないという結果となりました。ここも要分析ですね。引き続き、明日の日本、墨田区の為に頑張って参ります。

2021年4月4日

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