議会復活?知事復活?

おはようございます。東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。

 

とにかく日々東京都政の話題が尽きません。3施設のお話ももっと検討過程を公開すべきという意見も多数頂いておりますので、都政の未来に向けても出来るだけ記していきたいと思いますが、連日の都議会での会議、あるいは各調査・取材等で中々時間が取れずに申し訳なく思います。

 

さて、今日は「復活予算」です。廃止についての是非を本日ここで述べる気はありませんが、ただ冷静に考えるべきかなと。まずもって議会への「白紙委任」ではないことです。誰が「議会枠」とか「議会復活枠」とか「政党要望枠」とか名付けたのかは分かりませんが、いずれにしても語感のイメージは「200億円を議会に渡して、議会が出したものを予算に追加で入れます。」というものではないでしょうか。更に、マスメディアの中には「都議会自民党のためにあるとされ」と報じている所もあります。この話だけを受け止めれば当然ながら「不要」という認識に立つでしょう。

 

大前提として、復活枠以前に議会が予算を作る権限は地方自治法149条で定められている通り知事のみに与えられた偉大な権限です。議会にはその権限がありません。しかも予算を執行出来るのも知事だけです。これを踏まえると、復活案というのは知事が作成する案であり“知事復活”案だと私は考えていました。

 

では、予算はどのようにして出来上がるのか?毎年、様々な課題が所管局の中で浮かび上がります。継続してきた事業に効果がある、必要性があると考えれば次年度も計上されます。また、新たな課題克服の為に新規予算を計上する場合もあるわけです。その中で各局が必要と思った事業を予算要望として各局は財務当局に上げるわけです。その都庁内全域から上がってきた予算の中から優先順位を決めて財務当局が知事の下で予算案を作成していていくわけです。

 

私なりに歴史的な経緯を見ると、現在は予算原案→政党要望→復活案という流れになっていますが、過去には予算原案の前に各局局長が知事に対して“事務折衝”を行っていたといいます。ただ、石原都政以後は無くなって政党要望だけが残ってきたようです。昔を知る方達に聞き取りを行ってきましたが概ね上記の通りです。

 

その予算作成過程において、漏れてしまったもののうち、どうしても都民生活向上に資するものは復活枠に入っていきます。過去20年以上に亘り200億円という数字は変わらず。しかも、革新都政だった美濃部都政時代にも「復活」は存続してきたわけです。そこで、考えるのは政党要望があったとしても知事査定を経て復活予算案となるわけです。もし、知事がどうしても納得しないのであれば要望を反映させないわけです。

 

今回、都議会本会議上で知事が復活廃止を名言されたのですから、それは真摯に受け止めるのは当然かもしれません。これから知事は予算から落とされた事業についてのヒアリングを各団体から直接お聞きするとの事です。今までは都議会各会派で行っていたわけですから、どんな課題や悩みが現場にあるのか広く都民の皆様と共有出来なかった部分があるかもしれません。しかし、徹底した情報公開の下でテレビ中継でもネット中継でもとなれば、オール東京で都政課題を共有できます。どんな団体が呼ばれるのかはよく分かりませんが推移を見守ると共に、都民生活向上に逆行しないように注視して参ります。

 

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