東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。
児童虐待の報道が絶えない
現在、東京都議会第3回定例会が開催中で、昨日の一般質問、一昨日の代表質問と各議員からの質問が続きました。都政全般にわたる中から、それぞれがそれぞれの視点で質疑をされていました。私も今、都政でやるべき課題とは何だろうかなどと考えるわけですが、昨日のブログで書いたように副知事人事を中心にしても、児童虐待の問題も根本的解決に向けて何をすべきかと思いをめぐらせています。
最近、本当に児童虐待のニュースが頻繁に報じられています。個別のケースであり、原因や発覚の経緯あるいは取り返しのつかない事態など悔やんでも悔やみきれない場面にも出くわしています。厚生労働省では2017年7月11日にこういう問題に直面し、新たに「こども家庭局」が立ち上がりました。そして、この年の8月には「新しい社会的養育ビジョン」を発表。それから約1年後の2018年7月には「『都道府県社会的養育推進計画』の策について」をはじめとする通知を発表し社会的養護体制の大転換を目指し、行政的には動き始めている事は間違いありません。
国の新たな指針は特効薬になり得るか
これまでは施設での養育でしたが、ここからは里親での養育という考え方の転換を示されたという見方が素直です。2015年度末で17.5%だった里親委託率を未就学児は概ね7年以内に75%に、就学後の子は10年以内に50%へ引き上げる。特別養子縁組は5年で倍増の年間1000件以上の成立を目指すという内容だったのです。これは国の目標ですから、都道府県一律の網掛け目標です。つまり、現場では都道府県格差あるいはその中でも地域格差はあるのは当然です。ですので、これからは国と現場の温度差を埋めていく、調整していくのが私達のような地方議員の役目であると思っています。
こういった点については過日「東京児童養護施設連盟」の方々と意見交換をさせて頂きました。私が感じてた上記の、現場との温度差を正に実感したのでした。この団体は「児童養護施設」を運営される皆さんで組織されています。「児童養護施設」というと、一昔前では漫画のタイガーマスクの世界を思い出される方が多いと思います。2010年にはもタイガーマスクの主人公である「伊達直人」名義で各施設に寄付が届くというタイガーマスク運動も起こったりもしました。
現場を直視して
私は以前に同連盟の皆さんが施設対抗で行っているドッジボール大会に行かせて頂いた折に、その「タイガーマスク」の世界観は現実的ではないと認識しました。自分自身の時代錯誤な感覚に情けない思いがしたのです。体育館いっぱいに子供たちがいたわけですが、そのほとんどがタイガーマスクのような立場で施設にいるのではなく、虐待によって保護された子達達なんだと説明を受けました。実際に私がそこで触れ合ったのはその表面的なものであり、都内だけでも相当な児童がいるんだと衝撃を受けたのでした。以来、この分野についてアンテナを張って調査研究を続けているのです。
原因は様々
冒頭にも書きましたが、虐待にいたる原因は様々です。親御さんにも色々な事情があるわけですが、中々、家庭空間に行政が入る事は難しいわけです。となれば、もっとオープンに対象となる児童や家庭からのSOSをキャッチできる仕組みを作らねばいけません。そこでは、児童相談所が一義的には大切な存在になります。それ故に、痛ましい実情が報道されると「児童相談所は何やってるのだ!」という厳しい声が広がります。ところが、児童相談所の現場も一杯一杯で物事に対処しており、明らかなキャパオーバーになっています。かと言って、必要人材を逐一補充するほど人材はフリーではありません。このパンク状態を解消する為に、国も含めて一歩踏み込めないかと自見はなこ参議院議員と勉強会をやってきたりもしました。
私も更に、知恵を絞りだし、現状の環境下でベストな方策を打ち出していけるように更に「東京ルール」を策定していきたいと考えています。引っ越しの際の情報管理やSOS発見の方法など。時には小児科の先生との情報共有も必要です。小児科ドクターは直ぐに虐待が分かると話されています。それでも、これは病院に来た場合です。
これは虐待の前段階での対応、発覚後・保護後の対応など総合的な政策が必要になってきます。などなど、多くの皆様とも取り組んでいきたいと考えています。
コメントを残す