東京の水道を守る正義はだれか?

東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。

 

水道事業が焦点

今回の都議会定例会では様々な議論が展開されましたが、私が委員長を務める公営企業委員会所管の水道局事案として「東京水道サービス株式会社(TSS社)」のコンプライアンス問題について報告事項がありました。そもそもは、この会社は水道局の外郭団体で、局OBなどの関係性も強く、以前から構造的な問題を私や自民との宇田川議員は事あるごとに指摘しました。

 

水道局はちょっとマズい状態!?

その中で、本年2月、東京都総務局はTSS社のコンプラ体制について不適正事案があるとした特別監察について公表をしました。「東京水道サービス株式会社(TSS)に対する特別監察」の結果について(他にも水道局には公正引委員会の立ち入り調査が行われてもいました。)この度、このコンプラ事案について体制を立て直すための中間報告として現在のあり方が報告されて質疑が委員会で行われました。あくまで現時点では中間ですから見えない事も多いのですが、はっきりしているのは、この組織立て直しの段階で、5月1日付けで社長が野田数氏に代わったのです。野田氏は小池都知事の側近中の側近で、都知事誕生後から特別秘書として小池都政の様々な局面で暗躍が指摘されていた人物です。ご本人は教育評論家とう肩書もお持ちで、元は自民党の都議会議員でもあったりするのですが、コンプライアンス発生事案で組織再編に立ち向かう中で小池都知事の推薦で「土地勘」の乏しい野田氏が社長という人事に疑問を投げかける人も少なくありません。

 

野田氏は議会に来ないのか

今回の委員会でも、組織のあり方から、野田氏の資質について質問項目は多岐に渡りました。中でも、2名の委員からは野田氏を呼ばなくては十分な審議が出来ないという意見もあり、委員会を休憩にして理事会を開き、この件について協議もしたくらいです。結果として、今定例会の報告については野田氏を呼ばない事としましたが、今後、PUCという同じく水道局外郭団体との統合も計画されており、必要の際は経営者として議会に出てくるのが筋だと私は思います。

 

それに先立つ、本会議で一般質問に立った私は野田氏及びTSS社の姿勢について一言申し上げました。それは文末の通りです。水道局事業の政策決定過程にコミットしてこなかった野田氏の人事を適材適所とする小池知事。この件については、改革をどう進めていこうとするのか明確にすべきであると考えています。

 

民営化論に立ち向かう覚悟は出来ている

全国的なニュースを見ていても、水道事業の民営化(民間コンセッション)も議論されている昨今。現時点で私は東京都水道局事業の民営化には断固反対です。全国一律で見ていくと様々な地域事情があるかと思います。当然、水道料金値上げをするか否かという課題や熟練の水道事業を支える職人さんが不足しているという背景も鑑みての事です。少なくとも東京都水道局が管理している水道管は総延長で約27000㎞です。地球1周が4万キロですから半周以上の管路が東京の生活を支えています。

 

日々、これだけの管路を管理し維持できている。しかも、川などから採水してから供給するまでの漏水率は約3%である我が国最大規模の水道事業なのです。それ故、いざ、民営化のという議論が吹き始めたら、PRも兼ねて積極的に手を挙げる業者は沢山いるはずです。だからこそ、今の料金系統で、しかも将来的な大規模更新、あるいはダムの管理など含めて全てを理解した上で、東京の日常生活を残していくという使命を感じている私としては数字だけの論理における民営化には納得できないのです。

 

引き続き、追及していきます。

 

(参考)

【代表取締役社長 野田 数 が拓殖大学大学院授業で講演いたしました】

TSS社ウェブサイト

 

(私の一般質問での指摘)

最後に、東京水道サービス株式会社の野田数社長人事について、知事は「適材適所の配置」であると強弁されています。しかし、5月6日の着任早々、野田社長はことおあろうに元秘書と新社長の二つの肩書きを誇示するかのように、某大学で講演をされました。会社経営の右も左も、これからの舵取りも分からないまま、都の水道事業について無責任に披歴されたようです。こうした、姿勢と態度は断じて容認する事ができません。我が党は、引き続き都民にとって有益な管理団体改革となるよう、都議会の権能であるチェック機能を十二分に発揮して参ります。

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