【豊洲新市場】取扱金額が増えるという根拠。

東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。

 

この「日に日にあらたに」へ、そろそろ市場問題以外の事も書きなさいという意見を複数頂くようになってきた事は前回お伝えしました。ですので、私が都議会議員として今任期中に取り組んできた事を振返りながらの記事も書き、そして先に見据える東京や日本の姿をお示ししていこうと考えます。こちらは書き始めています。

 

事業継続性をしめさなきゃ

今週は豊洲移転問題で浮上してきた「流通」「事業継続性」という事に触れました。

【小池知事ブレーン】ついに「石原」も「豊洲移転」も容認!?

【本気で】市場流通を取り戻す戦い。 

しかしながら、これに対してのファクトが薄いという指摘もあります。私からすると、小島座長案の方がよっぽど薄いと思うのですが、私は無責任ではないので記しておきます。

 

東京都は11市場を有しているのですが、その中で今日取り上げるのは葛西市場です。ここでは青果部門で興味深い動きがありました。この葛西市場青果部で平成19年9月に「定温管理施設」を整備した後の話です。

 

冷蔵で産地から食卓まで

ポイントはコールドチェーン。つまり生鮮食品を生産地からトラック等での輸送、そして消費者まで途切れることなく低温を保てる流通が実現したら取扱高が上がったという事実をご紹介します。

 

今日の話題は青果ですから、畑等で収穫した青果を冷蔵トラックで葛西市場に運ぶ。葛西市場到着後、市場に整備した冷蔵施設にそのまま納めます。この間に取引が行われて、また冷蔵トラックで各消費地へと運ばれていく事が出来るようになりました。

 

新設備がもたらす大きな効果

その結果として【本気で】市場流通を取り戻す戦い。 でも取り上げた量販店はこれで産地へ赴く必要が無くなり、葛西市場を使うようになったのです。この結果、葛西市場では平成19年の取り扱い実績は翌年以降、約40〜50%増となっています。平成27年は19年比較で約30%になっています。

 

ところが、この事で「ブランド」力は上がりました。19年との比較で21年は取扱実績が約50%増で15万トン取扱金額も約50%増の309億円でした。しかし、平成27年は約13万トンでしたが金額は変わらず310億円になっています。

 

平成19年 10万2千トン 203億円

平成21年 15万トン   309億円

平成27年 12万9千トン 310億円

 

つまり、明らかなのは取扱数量が減っても金額は保ったままです。葛西市場も築地市場と一緒でし、この卸売場の新設備だけの話です。豊洲市場は敷地内の各所に衛生面等を考慮した様々なハード設備がなされています。葛西を根拠にすれば、豊洲は小島座長案では比べられないくらいに取扱実績が跳ね上がる潜在力はあります

 

市場努力の賜物

これは定温管理施設があるからというハード面だけで、取扱高が増えたのではありません。勿論、市場関係者、量販店など商いを真剣に考える人達の努力というソフト面とが重なったからこそ実現したのです。

 

一方で、築地はハード面が前時代的ながらもブランドを維持しています。古い施設でも携わる方々が努力を重ねて維持してきているわけで、そのマンパワーがハード面の設備というだけでも、別の作業・仕事に回せるのですから生産性は向上します。

 

50年100年の計

小島座長が「築地市場の改修を成功させる条件は、築地の人々が築地で営業を続けたいという気持ちをどれだけ強く持っているかだ」という発言は正しいと思います。但し、この発言は無責任だとも考えます。座長の示す金額で、流通を取り戻す施設整備が出来るのか?今この瞬間の築地で継続」という短期的な視点で議論すべき話ではないはずです。もし築地で再整備ならば、少なくともあと50年築地で続けられる計画を示すべきです。

 

市場は誰のもの?

というのは、都の11市場は誰のものでしょうか?

答えは簡単で、その土地の端から端までが都民のものです。私は都民の財産である市場の土地を更に有効的な運用方法で価値を高める。つまり、市場業者がお納めする利用料を高めるには取扱高を増やすしかないのです。その為に、必要な策を打つという事のその先には、市場だけでない東京あるいは日本全体の流通を活発化させる事の一助となり景気回復の後押しになると思うのです。

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