東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。
激論の公営企業委員会
昨日は都議会公営企業委員会が開催されて長丁場の質疑が展開されました。東京都水道局は自らの外郭団体である「東京水道サービス株式会社(以下TSS)」に対する総務局の特別監察結果に対しての改善報告書を8月末に発表しました。この事についての議論がメインでした。TSSは管路施設の管理、浄水施設の管理、水道に関するコンサルティング・調査、技術開発、水道資器材の管理・販売を主要事業としていまして、つまり私達の水はTSSがいないと供給できないのです。
「東京水道サービス株式会社に対する特別監察結果 改善報告書」
そもそも、私が公営企業委員会に初めて所属となった数年前から、このTSSに対しての不満、苦情をよく聞いてきました。この1年間、特に私が委員長に就任してからは水道局やTSSをめぐる不祥事が立て続けに明るみとなり、時間をかけて委員会審査が展開されてきたものです。しかも、その間、今春にはこのTSS社長に小池百合子都知事の側近中の側近である野田数氏が都知事特別秘書から転身するなどの事もあり都政の中では注目を集めてきたのです。
水道局の癒着体質が明るみに
つまるところ、この一年間で明るみになってきたのは水道局、水道局OB、TSSあるいは関連業者との癒着体質です。本来であれば、現役の水道局長を先頭に東京水道グループという一大集団を強固なコンプライアンス体制で牽引していくのが基本中の基本です。にも拘らず、上記のようなズブズブの関係の土台では、強いリーダシップは機能していませんでした。昨日の質疑でも、都議会自民党の舟坂委員からはこの体制に厳しく指摘され、都民ファーストの会の菅原委員からは次のような言及もありました。「TSSは都民を見ていなかった。水道局を見ていた。」という表現でした。私なりに解釈すれば、癒着体質の中で適当な業務の実態が浮き彫りになったという事です。
振り返って見ると、こういう細かいところにメスを入れるのが、この任期の公営企業委員会の使命だったとも言えます。例えば、都の水道局が供給過程についてTSSに委託しているものを、更にTSSが他へ再委託している実態も判明しています。これがまかり通るならば、TSSの下請けになる業者の利益はほとんどないのは自明です。それならば、水道局が直接、業者に委託すればイイじゃんという声もあります。だからこそ、適正なあり方をもっと細かくチェックすべきだという声も上がっていました。そんな状況に前述の野田氏が社長に就任して、好転するんだろうか?野田氏は水道事業の素人ではないか?という声も上がっており、野田改革は本当に未知数です。
私は水道局民営化には断固反対
ただ野田氏を私が警戒するのは「東京の水のあり方」そのものに対する不安があるからです。野田氏は社長就任が発表された後に、メディアの取材に「水メジャーを目指す」旨の発言をされていた事が都議会でも俎上にあがっています。これは水道局民営化に繋がる話であります。水道法改正がニュースになる中で、民営化も話題になります。これはメリット、デメリットは当然あります。ただ、私は首都東京の水を「安全で高品質で安定供給していく」使命を帯びる中で、ダムから家庭の蛇口までのマネジメントが必要で、管路のチェックなども日夜行ってるのです。ここに利益至上主義の民間企業になったら、この原則が崩れやしないかと危惧するところです。
私も今週の委員会をもって、公営企業委員長を退任しますが、引き続き、水道局の未来については腰を据えて取り組んでいきます。どうぞ、宜しくお願い致します。
コメントを残す