デフレ脱却は命がけ。

安倍内閣が発足し景気は上向き傾向。

麻生財務相も総選挙中から声を大にして訴えられておられた次元の違う景気対策に汗を流しておられます。

すると、外野から「公共工事=バラマキ」をイメージさせるかのような発言が相次いで出て参ります。

「公共工事=再分配=景気循環」と見るかはマインドの問題だと思います。世の中全体が好景気に包まれるかどうかは結果を見て初めて判断すべきで、「反対の為の反対」を口にする人は何もしないで自然と景気が上向きになると考えておられるのでしょうか。

実際に買い控えというような民間からお金が出てこないわけですから、政府主導で景気に刺激を入れてお金が循環する仕組みを作らなければ前進できません。デフレデフレと言葉は一人歩きしていますが、この脱却は並大抵の努力では克服できないのは歴史が証明しております。

例えば、ライオン宰相と呼ばれた浜口雄幸総理は経済対策が最大の課題で総理に就任しました。

第一次世界大戦後の国内好況は過去のものとなっていた時代で、この時もデフレでした。浜口雄幸総理は大蔵大臣に日銀総裁だった井上準之助を据えて金解禁を断行します。この時の政策が後の世界恐慌に巻き込まれ更なるデフレ不況となり失政とされます。

結果、社会情勢は更に悪化し浜口雄幸総理は凶弾に倒れました。その後に誕生した若槻内閣ではデフレを克服できず、その次の犬養における高橋是清大蔵大臣が推し進めたリフレーション政策でデフレ脱却となったのです。リフレとは緩やかで安定的なインフレであり、リフレ政策となるとインフレターゲットに無制限の長期国債の買いオペとなるわけです。買いオペはあくまでデフレ脱却までの有期です。最近、メディアで目にする「リフレ」が歴史上有効であることは4回目の大蔵大臣だった高橋是清の前例があるわけですね。

「デフレ脱却は命がけ」であるという1つの例が浜口雄幸です。これはかつてと言っても10年弱前に藤井裕久氏がどこかだったかで語っていたのを聞いて以来、私の頭に残るキーワードなんです。他の事例もこれから書いてみようと思っています。しかし、私は経済学者ではなく、あくまで日本政治史の観点からでの経済政策点検になる事をあらかじめお断りしておきます。経済学については、もっぱら勉強中です。

平成25年2月10日

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