東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。
石原元知事の記者会見
昨日は「豊洲市場移転」をめぐっての石原慎太郎元都知事の記者会見が行われました。
NHKでは都議会自民党報道室として私がマスコミ対応したのですが「石原氏会見 都議会主要会派は」と言う事で、私は「石原都知事は都議会の責任に言及されました。これを重く受け止め、都民の皆様の疑念、不安を取り除く為に議会の責任をしっかりと果たしていきます。」旨を発言をしました。
私は自民党の議員でありますが、この石原発言あるいは「豊洲の問題」については独自路線で資料を解読し、客観的な面で物事を進めていきたいと考えております。そこで、幾つか都民の皆様が引っ掛かった点について私の見解を記していきます。今後、様々な調査の上で石原発言が正しかそうでないかは分かってくると思います。少なくとも、昨日の時点で私は判断出来ません。
瑕疵担保責任は?
瑕疵担保責任について
(東京ガスの負担額妥当性について)
↓
実は今、私は当時の売買契約書その他を見直しています。いわゆる「瑕疵担保を免責」したのかというと、考え方だとは思うのですが結論を見出せないなと思います。つまり、東京ガスから東京都へ売却される際には既に東京ガスは「環境確保条例」に基づいた土壌汚染対策は完了しています。にも関わらず、法規以上の対策をある意味で社会的責任という事も含めて78億円の費用を負担して土壌汚染対策を行ったのです。
ここでメディアが取り上げるのは都が行った850億円の土壌汚染対策費と東ガス負担の78億円の比較のみです。今日はかいつまんで説明します。恐らく見解の相違として、私の下にはまた多くの賛否の意見がくると思いますが、第三者的視点で冷静に記します。以下は都の発言を基にしたものです。
東ガス負担金額の計算方法
(都の公式見解)
まず、平成23年の都議会委員会答弁に鍵があります。
ここに記されている事を簡潔にすると、この時点で想定されていた「土壌汚染対策経費」は技術会議の報告を基に586億円を想定とし見積もりの内訳が示されています。
総経費 :586億円
(↓内訳)
土壌処理にかかる経費⇒338億円
・・・・・・・・・・・・・・・・
地下水対策費⇒190億円
液状化対策経費⇒45億円
調査経費⇒13億円
この内、地下水対策費、液状化対策費、調査経費については専門家会議の提言に基づいて都が独自に行ったもの。つまりは、市場用地として残す為の経費。今で言えば、「レガシー経費」という理由で東京ガス負担の対象外となりました。
判断は338億円ベース
という事で338億円の土壌処理経費を見ますと、このうち100億円はガス工場の操業地盤面から深さ二メートルまでの土壌をすべてきれいな土に入れかえるのに必要な経費です。これは専門家会議の提言に基づき、環境基準以下であっても、市場用地の安全性を確保するために実施する都独自の対策という事になり、この経費も東京ガス負担になじまないと判断されました。
そして238億円
そこで残るのは238億円です。
ここは議事録をそのまま引用しますと、
「この二百三十八億円が、東京ガスとの実質的な協議ベースと考えております。このうち、平成十七年に都と東京ガスとの間で締結いたしました豊洲地区用地の土壌処理に関する確認書で、東京ガスが実施すべきと定めた内容と同等の対策を改めて実施すると想定いたしまして算出した経費が、今回の合意額である七十八億円ということでございます。」
東ガス負担額は178億円
つまり、ここで東京都160億円、東京ガス78億円となります。
ところが、これ以前の東京ガスが独自で行った土壌汚染対策費が約100億円ですので、全体として約178億円となります。
すると東京都160億円、東京ガス178億円となり、一方的に東京ガス負担が低いという印象は無くなります。
一つの考え方として、
1、東京ガス由来とする土壌汚染対策については環境確保条例に基づく約100億円の処理を終わらせています。
2、しかしながら「市場が公益性の高い施設であることから、これまでの経緯を踏まえ、東京都との協議の結果、東京都が実施する土壌汚染対策費の一部を負担することといたしました。」という社会的責任という観点から追加で78億円という金額を出す決断をしたという事です。
土壌汚染の取扱いについて
また、同契約書にある「土壌汚染の取扱い等」についてという項目には「豊洲地区用地の土壌汚染対策の費用負担に関する協定書」に基づくものとするとあります。つまり、世間で言われている瑕疵担保責任の免除については、この「協定書」が争点となりそうです。
< div>この協定書の中身もこれから精査して参ります。
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