東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。
貴乃花退職
あの平成の大横綱・貴乃花親方が相撲協会を退職するという実に残念なニュースが届いた9月25日です。これで、私の相撲オタク人生を彩った千代の富士、朝青龍と偉大な横綱がまた一人角界を去る事になります。貴花田が千代の富士を破った相撲は未だに頭に残り、若貴が支度部屋でじゃれ合っていた姿がつい昨日の事のように思い出されるわけです。先代貴ノ花が亡くなった際には、中野の部屋で質問させて頂いたり、2010年に貴乃花グループが浅草ビューホテルで二所ノ関一門を飛び出した前後は二所一門に張り付いていた私です。
相撲協会は本当に悪いのか
さて、退職を表明した会見によると、貴乃花親方は協会役員から有形無形の圧力を受けていたと言います。私にはここがよく分からないのです。昨年の今頃、大相撲巡業中に暴行事件を起こしたとして当時の横綱・日馬富士が引退にまで至りました。この時、日本相撲協会は「組織としてどうなんだ?」「あり得ない」などと多くの非難を浴びたわけです。
ただ、後から検証してみると、初動が遅かった事は間違いないのですが、八角理事長らは規定に基づいて対処しておりました。10月26日に暴行トラブルがあり、協会が知ったのが鳥取県警から連絡のあった11月2日という事でしたから、何をやっても後手後手だった時点で取り返しがつかなかったと認識しています。
残って改善の選択肢はなかったのか
私はいたずらに相撲協会を擁護しているのではなくて、その後、世間、マスコミ、文部科学省、スポーツ庁ら四面楚歌状態で「清浄化」を求められていた相撲協会が、しかも各界のスポーツ団体パワハラ騒動のさなかで本件について雑な対応したとは思えないのです。とは言え、あれだけキッパリと貴乃花親方は言い切った会見ですから、この溝は大きいのだなと感じざるを得ません。それだけに、貴乃花親方にはもっとコミュニケーションを取る事で、相撲協会改善に寄与する事が出来たのはでないかと思ってならないのです。
一門不要論は良くない!?
この背景の中で、一門所属問題がメディアで指摘されています。貴乃花親方や巷間の評論家と見立てが違うかもしれませんが、私は一門の大切さを感じています。ワイドショーで相撲界が取り上げられるようになって、どうしても「一門⇨理事選選挙」という見え方になってしまっています。これが「派閥」と捉えられると余計に「悪い」といった雰囲気が醸成されている事は否めません。もし、仮に相撲協会の親方衆が「どっちを向いて仕事しているのか?」と言われた場合に、一門の重要性は力士にとって大切だと思うのです。それは新聞報道で言われている助成金も大切な問題ですが、力士にとって成長の場としての一門があります。
単独の部屋では、横綱・大関あるいは関取衆がいなくても、一門にはいます。横綱の所属部屋に力士が少なければ、一門の他の力士が横綱の周りに付きますし、横綱土俵入りも一門の力士が務めます。そういう慣習が古臭いと言われるとそれまでなんですが、やはりそういう場や経験を通して、多くの事を学べます。部屋だけでの稽古であれば、いつも同じ親方の指導ですが、一門連合稽古になれば他の部屋の親方に指導を受ける事が出来るわけです。特に幕下以下であれば、1場所で7番しか取り組みがないわけですから、こういう機会を通して自分を高めていけるのです。
相撲を愛する皆様と共に
何れにしても、貴乃花会見を通して、相撲協会を取り巻く環境はまた一段と緊張感が出てくるでしょう。それだけに、今の相撲を支える、今の現役力士にとって何が一番大切かという視点を常に持ち続けて、相撲を愛する多くのファンの皆様と共に私も愛好家の一人として色々と考えていきたいです。今日はあまりにも突然すぎて、関係各所に取材出来ぬまま記しています。
あの2010年二所ノ関一門を飛び出した貴乃花親方含む7名。あの時に訴えていた協会改革への堅く熱い結束力はどこへいってしまったのだろうか・・・
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