都議会は小池知事の為にあるわけではなないはずだ。

東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。

 

8月8日に新任期の議長を選出する東京都議会・臨時会が開かれ、都民ファーストの尾崎大介議長が選出されました。この場で、自民党、共産党、民進党、維新の各会派は市場移転問題について議論がし尽くされていない事から豊洲市場移転問題に関わる特別委員会設置を求めましたが過半数を獲得出来ず設置を求める案は否決されてしまいました。ここで、この流れを振り返ります。

 

議論すべきは議論すべき

-特別委員会の必要性-

去る6月20日の記者会見で、小池知事は、豊洲市場への移転とともに、築地の再開発について公表をされました。これまでの都議会での議論を一気に吹き飛ばすような重大な決定が、議会に何ら報告・議論されないまま事態が進行しているのをご理解頂きたく思います。このように議会のチェック機能が働かない都政運営に、少なくとも私は大変な危惧の念を抱いています。我々都議会自由民主党は、こうした築地・豊洲を巡る出来事について、議会で審議を進めるべく、都議選後初となる本日の臨時会において、政策に違いはあれ、「議論すべきは議論すべき」との考えを共有する共産党及び民進党など他会派の賛同を得て、豊洲市場移転問題特別委員会の設置を提案したのですが、この提案は、残念にも否決されてしまいました。

 

市場移転問題はまだ終わっていない

6月20日の記者会見では、築地市場跡地の活用が不可欠な環状2号線の問題、同じく跡地を五輪用輸送拠点として整備する問題、特に築地の再開発の問題など、新たな重要な論点についても言及されており、これらを議論する場は欠かせないはずです。

翻って見れば、6月定例都議会で報告された特別委員会の経過報告は、あくまで「中間報告書」であって「最終報告書」ではありませんでした。その後には、専門家会議による盛土に代わる地下ピットの追加対策工事の方向性、市場問題PTの最終報告書の公表などが予定されていたからこそ、「中間報告書」と銘打たれたのであって、その報告書に同意した当時の特別委員会のメンバーは、引き続きの議論の場として、誰もが第20期に特別委員会が再開することを信じて疑わなかったはずですが、ある知事与党側の議員から昨日直接言われた言葉を借りれば「議会構成が変わった」というだけでここまで議会の方向性が転換してしまうものなのかと憤りを感じます。

 

顧問行政による都政のブラックボックス化

先の都議選で、議会のチェック機能強化を標榜し、都議会大改革を進めることを公約したのは、最大会派の都民ファーストの会です。

今年3月の定例都議会で「築地か豊洲かで、第三の道はない。」と小池知事は断言し、「築地は安全・安心だが、豊洲は安全だが安心とは言えない」、「市場会計の持続性が大きな課題」との答弁を繰り返していたにもかかわらず、一片の説明もなく考えを豹変させ「築地は守る、豊洲は活かす」の両立論を議会に諮ることもなく決定事項として公表するのは如何なる了見かを知りたいと思うのは自然です。これで説明責任を果たしていると言えるのでしょうか。

情報公開を都政改革の一丁目一番地だと主張する小池知事ですが、意思決定の文書もなく、意思決定プロセスそのものがブラックボックスになるのも、無理はありません。その傍らには、特別顧問の姿があり、行政に責任の権限を有しない人物が都政を実効支配する「混乱と分断」の時代が到来しているわけです。

 

議論をする「言葉」こそ重要

-言論の府とは?-

 これまでの豊洲市場移転問題特別委員会で、私は、顧問行政の危うさを訴えてきました。都議会議員として、直面する課題に口を閉ざし、無関心を装うことは決してあってはなりません。ましてや、自説を押し殺して白紙委任状を差し出したり、天の声を受け入れたり、自らの信条に反するワンヴォイスに身を投じるべきではないと考えます。それでは、議会制民主主義を自ら否定したことと同じです。

 

また、知事からは、築地と豊洲に関するダブルスタンダードしかり、安全と安心に関する考え、財政に関する見直しなど、何も説明がありません。これらの点について明快な説明がないままに、議論を忌避して、耳ざわりの良い言葉ばかりが都議選前にふわふわと実態もなく吹き放たれたわけです。知事は、考え抜く「政策」には関心が無く、ゲームのように選挙を勝ち抜く自らを優位にする「雰囲気」づくりにしか関心がないことは明らかな様子です。

 

二元代表制

-是は是、非は非-

このような知事の方針に賛成であれ反対であれ、躊躇することなく糺していくのが真の議会人の姿であると信じています。

都議会は都民の民意を代表する言論の府です。議員一人一人が都民の負託を受けて、各々がこれまでに積み重ねた知見を総動員して、多角的に議論を進め、より良い社会の実現に尽力する必要があります。

この特別委員会の設置は「小池チルドレン」と半ば否定的なメディアから揶揄されている都民ファーストの会にとって、千載一遇の好機であったはずです。

都民ファーストの会に所属する都議会議員は、各々が都民の負託を直接受けている重みに改めて想いを馳せ、自らの信念に従って、主張すべきを堂々と議場内外で述べ、議論を戦わせるべきでありますし、私は議論させて頂きたいと考えておりました。

私の思いは、夢と希望あふれる首都東京の卸売市場を実現していくことだと繰り返し強調しています。都民ファーストの会の議員の皆さんも、思いは同じなはずです。その目標に向かって、ともに正々堂々議論を尽くしていこうではありませんか。

 

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