こうして東京都美術館での騒ぎが大きくなってしまった。

東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。

 

東京都歴史文化財団評議員会開催

昨日は東京都歴史文化財団の評議員会が開かれました。この財団は江戸東京博物館をはじめ都立文化施設の指定管理を受けている団体で東京都の政策連携団体・事業協力団体です。議会からも数名が評議員になっており、各専門家の皆さんも含まれて活発な議論が毎回なされます。今回は決算等についてでして、来館者数者や運営体制についてのチェック的な要素が大きいものでした。事業の中には、生活文化局と連動している事業もあります。2020年にむけて「TokyoTokyoFestival」事業については「認知度向上に努めていく」という発言がありました。私はこの事について、1年後にやってくるオリンピックを控えて、「いつまで認知度向上に努めるのか?」と発言しました。この事業は東京文化プログラムとして、16年のリオ大会後から始まっています。3年経ってもなお、事業が浸透していない事に危機感はないのかという趣旨の発言でした。むしろ、ここから先は一段上がったステージで事業を展開していく気概が必要だと財団執行部に要望したところであります。

 

都美術館でのトラブルについて

さて、評議員会は予定された通りの審議事項で様々な意見は出されましたが終了しました。むしろ、火がついたのは、その終了後に特別に報告事項として上がりました東京都美術館での↓の件です。本件については、美術館側からもコメントが出されています。文末にリンクを貼っています。

 

 

 

これは、ANNのニュースの通り、作品鑑賞中に女性が他の鑑賞者とトラブルになった事です。場面場面で問題はあるのですが、今回はこちらの女性が被害を訴えられた際に対応された現場スタッフがきめの細かい対応をしていなかった事がいけなかったのではないかという意見もございました。私も、静かに鑑賞していて予期せぬところからコンタクトがあったらそりゃあ誰だっでビックりする。それは力の加減の問題ではなく驚きは相当なもの。しかしながら、相手の男性もなぜそんな事をしたのか現場で仲裁に入って話をしていたら、双方がその場で解決できる可能性もあったのではないか。少なくとも、本件を受けて世間は「東京都美術館はとんでもない美術館」と思っている人もいる。どうやって信頼を取り戻していくのかという未来志向の話をしたのであります。

 

特別展としての構造的課題見つかる

これは、文化施設の中でも「特別展」という特殊な構造で起こってしまった件でありました。来館者からすれば、美術館にいる人は、みな「美術館の人」です。しかし、実際には「特別展」については主催者がおり、特別展内の仕切りは基本は館ではなく主催者が行います。本件で女性がはじめに声をかけた方も、マクロでは「美術館の人」ですが、ミクロでは「美術館の人」ではないという不幸が重なりました。また、展示スペースにいる警備係がはどうしていたんだという声もあります。あくまで、警備係は「作品」を守っていて、まさか展示中に鑑賞者同士が揉めるという想定で警備に当たっていないのが通常なわけです。

 

そこにいる人=「美術館」のスタッフ?

これまでは上記のような認識でも同様のトラブルが起こりはしませんでしたが、ある評議員からは、構造的な改善を求めるとして、今後、館内にいる人は属性の如何を問わず、来館者からすれば全て「美術館の人」という認識で、事態対応の共通認識、対応が出来るように教育をしてから展覧会を始める事。また、1人1人の来館者の皆様が気持ちよく鑑賞されお帰りになられるように、今までに以上にスペース内で気をつかうなどの体制でという事など、美術館側も財団側も前向きな姿勢だったと思います。

 

私達の手元には現場の様子、例えば防犯カメラとか音声データがあるわけではないので、何が起きていたのか全く分かりません。今回、SNSを通じて表沙汰になった事しか分からないのです。だからこそ、トラブルを関知したスタッフはその場で両社の交通整理をして客観的に方向性が探れる感覚を持てるよう努力すべきという結論にも至りました。

 

東京都美術館、今後も頑張ってくれると信じています。

 

(参考)

館内トラブルについてのお詫び及び今後の対応について

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