【新市場】「安全の基準」は変えられない。

おはようございます。東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。

 

新市場についての責任をどう考えるのか?という声が頻繁に入ってきます。それは当然の事であると思います。空洞問題しかり、モニタリング調査しかりです。決して、他人事で済ますつもりは無く、今現在都議のバッジを頂いている以上、任期中に一定の方向性(自らの反省を含めて)を見出していかなければなりません。

 

専門家会議や有識者の間では「生鮮食品を扱う面では安全」というコメントが頻繁に紹介されます。これは一つの切り口で、メディアやそもそもの市場側がこの事を発信をされるかもしれません。しかし、私の考えでは「それはそれ」という事です。

 

新豊洲市場に私は大きな夢を託し開場を心待ちにしていました。それは、築地には無い様々な役割を担う事が出来る新市場の魅力に感じていたからです。私はかつて築地には足繁く通うヘビーユザーでした。両国から六本木ヒルズへ通っていた時代には築地市場経由(朝ご飯)で朝7時に出社したり、また逆もしかりで夜遅い仕事の際には築地で最後のご飯を食べて帰宅するなどしていました。特に築地に詳しいテレビ朝日の角澤アナウンサーとはなんだかんだで行っていました。場内の「江戸川」さんという食堂で世間話をしながら定食を食べたり、珈琲屋さんに行ったり、それはそれで今の私にとっては良い経験だと思っています。

 

その頃から、築地市場の老朽化も踏まえて、近代的に整備された市場の必要性を耳にするようになります。まだ私は議員ではありませんでしたが、都議会でも活発な議論を経て移転を決定としてきました。この時点において、移転決定を決めた責任の一端があることは間違いありません。築地での再整備を模索し続けたものの埒があかず、石原都政下での政治決断であります。

 

そこで、議会は何もしてこなかったのか?というご批判が各所から飛んでくるのですが、議会でもその都度、移転プロセスを丁寧に見つめてきました。前提で言えば土壌汚染対策法による区域変更もきっちりと行いました。地下水管理システムや「盛り土」などもありましたが、そもそも絶対的に安全性に自信があったが故に「飲み水基準」を世間にお示しする「安全の基準」と定め作業を続けてきたわけです。

 

今立ち止まって考えると個人的な感覚からすれば、「最初の時点」で「生鮮食品を扱うことの安全性」について大丈夫だという絶対的ラインを引いておけば、ここまでの混乱は無かったのかもしれません。しかし、都民の視点を考慮して地下水も飲み水基準で見ていくんだとした判断が結果として苦しい状況を生んでいるのです。先週末も東国原さんからも「地下水は飲まないんだから大丈夫だという主張をすべき」という旨のご助言を頂きました。理屈は分かるし、大変つらい立場の私達にとっては励ましの言葉になります。

 

ところが、調査前にお約束した「安全の基準」は変えられません。まだ、今回のベンゼン79倍という数値は専門家会議においては暫定値となっています。正しい結果が出てくるまでは善処策をあらゆる面で考えなくてはいけません。このモニタリング調査は新豊洲という島で、各点から採水したものを調査にかけています。では、島全体ではどうなるのか?という視点も大切です。

 

また、採水環境はどうなっていたのか?誰が採ったのか?(過去の検査も含めて)など、多角度的、客観的な考察によって、新豊洲市場の扱い方を考えるべきだと考えています。まずは、そこからで、都議会でも市場対策の特別委員会が開かれていくはずです。

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